March 2020
全分野結集型シンポジウム開催報告[速報版]
学問の評価とは?
学術界においては、相変わらず「評価」の嵐が吹き荒れています。といっても決して「評価」が悪いわけではなく、評価の目的が熟慮なき序列付けや予算配分の管理ばかりであることが問題なのです。その一方、評価の嵐に不満をもちつつも、その相対評価を跳ね返すだけの絶対評価、いうなら学問の価値を私たち研究者は明確に保持し、研鑽しあっているでしょうか。第三弾の全分野結集型シンポジウムでは、「学問の評価」を考えることを切り口とし、学問の絶対的な価値そのものに迫ってみました。
PHOTOGRAPHS BY K.HAZUMI
Data
●日時 2020年3月4日(水)13~18時
●場所 Impact HUB Kyoto
●パネル登壇者
生命科学系:駒井章治(奈良先端大・准教授)
理学系:磯部洋明(京都市立芸大・准教授)
工学系:平岡敏洋(東大産技研・特任教授)
哲学系:久木田水生(名古屋大・准教授)
芸術学系:朝倉由希(文化庁地域文化創生本部・研究官)
文学系:中村翠(京都市立芸大・准教授)
社会学系:周東美材(大東文化大学・講師)
政策イノベ系:桑島修一郎(京大産官学連携本部・特任教授)
経済学系:坂出 健(京大経済学研究科・准教授)
医学系:楯谷智子(京都先端大・准教授)
薬学系:井出和希(京大学際センター・研究員)
発問者:宮野公樹(京大学際センター・准教授)
●オンラインにてZOOM参加者41名
●Yotubeライブストリーミング配信視聴者94名(瞬間)
主催:京都大学学際融合教育研究推進センター
学際センター「研究者越境マインド研究ライトユニット」
主催・特別協賛:Impact Hub Kyoto
共催:公益財団法人国際高等研究所、サントリー文化財団
協力:日本の研究.com
Researchers on ZOOM
★は現地パネリスト
*音声と映像を向上させつつ前半後半をつなげたバージョンの動画はこちらから
Comments on Slido
当日は、パネルディスカッションの様子をZOOMにて41名の研究者が視聴し、Slidoのチャット上でも意見交換。コメント数やいいねの多かった方を抜粋を下記に。これを読めば当日の議論の大枠がわかることでしょう。Twitterの「#gakuseka」にはYotubeライブストリーミング配信をみた参加者の感想も。
Impressions
あの場で改めて「考える」ことがいかに大事なのか.イベントを終えて少し時間が経った今だからこそ実感しております.
学問は,自分の中で問い続けることと,その問いを他者と交わし合う
ことによって,作り上げられるのではないかと思います.
「面白い」と「良い」は究極的には一致するという信頼無くしては、自分の研究はすすまないのでは。客観的に真理の実在を確信したうえで、その真理に無限に接近しうるという立場が重要ではなかろうかと
すこし手前味噌的にいうなら、今、僕(ミヤノ)としては「学問した」感に浸っています。それは、最後の20分ほどで一気にはきだした答えようのない問いに場が沈黙する感じ・・・そこに僕は学問を感じたのだと思います。
このシンポジウムに関連したクラウドファンディングを2020/3/13Friまで実施中
(前回の全分野結集型シンポ「学会って意味なくない?」の議事録など様々なリターンあり)